愛知県の東部に位置する三河地域は、林業が盛んなエリアです。特に岡崎市や豊田市、新城市、設楽町、東栄町、豊根村は森林率が高く、豊かな自然環境を背景に、地域資源を活かした林業が展開されています。これらの地域では、森林の持続可能な管理と木材利用が進められ、地元経済や環境保全に貢献しています。そこで今回は地域資源を活用した愛知の林業プロジェクトについて解説しましょう。
愛知の林業プロジェクト!木の香る都市(まち)づくり事業とは?
愛知県の「木の香る都市づくり事業」は、スギやヒノキの人工林を利用してカーボンニュートラル社会の実現を目指す取り組みです。林業によってもたらされた県産木材の利用を促進するため、木造化や内装木質化、木製備品の導入に対する補助金を提供する内容です。対象は、県内の民間施設で、あいち認証材を用いたプロジェクトが対象となります。補助内容は、経費の一部を助成し、PR効果の高い施設での木材利用を支援しているものです。補助金と地元の活性化と林業の振興を狙ったプロジェクトといえるでしょう。なお、毎年行われているものの、受付期間がとても短いので必ず愛知県の公式サイトをチェックすることが重要です。
林業の作業の流れとは?
林業の作業の流れはまず、成長した立木を伐採する作業が行われます。主にチェーンソーや重機を使い、地形に応じた方法で伐採します。次に、伐採された木を作業しやすい場所に集める木寄作業が実施され、ここでは機械やウィンチを用いて木を集める作業がメインです。その後、伐採した木の枝や梢を取り除き、決められた長さの丸太に加工する造材作業が行われるのです。
林業は伐採だけではない
林業は丸太に加工して終わりではありません。その後、造材された丸太は集材および運材作業に運ばれ大型トラックに積み込むための場所(土場)に集められます。この際、丸太を掴む専用のアームが付いたフォワーダを使用し、土場で材を一時的に集積して長さや太さに応じて選別するはい積作業が行われます。そして消費地に運ばれるのです。この一連の流れによって、森林の健全な管理と木材の生産が確保され林業の作業が完結します。